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わが国におけるアレルギー疾患の羅患率は年々増加傾向にあり、現在では国民の役30%が何らかのアレルギーをもっているとされています。
アレルギー疾患を性差の視点からみると、その羅患率には男女で差があることがわかります。成人において喘息やアトピー性皮膚炎などは女性に多く、一方で通年性のアレルギー性鼻炎は男性に多くみられます。羅患率だけではなく重症度にも男女差があり、成人の喘息やアトピー性皮膚炎患者では女性の方が明らかに重症化しやすいとの報告があります。
では、なぜアレルギー疾患で性差が生じるのでしょうか。たとえば喘息では、思春期を境にして女性で発症や重症度が優位になります。このことから性ホルモンの疾患への関与が想定されます。実験動物を用いた基礎的検討で、喘息疾患モデルに対する性ホルモンの影響がすでに検討され、エストロゲンなどの女性ホルモンはアレルギー性気道炎症を憎悪させ、一方でアンドロゲンなどの男性ホルモンは改善させるということが報告されています。しかし、実際にヒトにおいて、エストロゲンレベルの上昇する妊娠期の喘息病状を検討したところ、憎悪する症例が多いわけではなく、憎悪・不変・改善がそれぞれ約1/3ずつでした。
このことから、性ホルモンに依存しない因子が性差にかかわっているのではないかと推察され、遺伝子レベルでの性差の可能性が模索されています。
この性差という観点から検討を加えることの意義については、アレルギーの病態・メカニズムを追求する際に「性差」という新たな視点から切り込む事で、これまで明らかにされなかった新たな知見を得る可能性があり、これにより新規治療法や検査・診断法への応用が期待できる点にあります。
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